Tomoru〈灯〉 受講生向け教材
Webサービス開発 / 全体マップ編

Webサービスの作り方 ぜんぶ地図

「CABU-Rみたいなアプリを作りたい」──その正体を分解します。株の話は抜きにして、一般のWebサービスがどんな部品でできていて、どの順番で組み立てるか。そして、ClaudeのArtifactでどこまでできて、どこからが“本物のサービス”なのかを1枚の地図にしました。

テーマWebサービスの設計図 対象PC操作OK・コード未経験〜 目安約25分で通読

この教材で分かること

  • Webサービスは「4つの部品」でできている、という頭の地図
  • Claude Artifactで「作れるもの」と「作れないもの」の境界線
  • Artifactの試作品を、公開できる本物のサービスに育てる道すじ
  • 個人が¥0〜少額で始めるための、現実的な道具の選び方
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まず結論:Webサービスは「4つの部品」でできている

むずかしそうに見えるWebサービスも、分解するとたった4つの役割に整理できます。CABU-Rも、あなたが毎日使っているアプリも、この4つの組み合わせです。この4つを頭に入れておくと、これから何を作るときも「今どこを触っているのか」が迷子になりません。

🖥️ ① 画面 フロントエンド ⚙️ ② 頭脳 バックエンド 🗄️ ③ 倉庫 データベース 🌐 ④ 配信:世界中の人がURLで開けるようにする(ホスティング)
①ユーザーが触る画面 → ②裏で判断する頭脳 → ③覚えておく倉庫。そして④それをネットに公開する。
🔤 用語ミニ解説
① フロントエンド(画面)
ブラウザに表示される見た目とボタン。ユーザーが直接さわる部分。HTML・CSS・JavaScriptで作る。
② バックエンド(頭脳)
画面の裏で動く処理。「ボタンが押されたら計算する」「AIに問い合わせる」など、判断や作業を担当する。
③ データベース(倉庫)
情報をためて、あとで取り出す場所。会員リスト・投稿・記録など、消えたら困るものを保管する。
④ ホスティング(配信)
作ったものをインターネットに置いて、URLで誰でも開けるようにすること。
ここだけ覚える

どんなWebサービスも 画面・頭脳・倉庫・配信 の4役の組み合わせ。「今どの部品を作っているか」を意識すれば、複雑なものも迷子になりません。

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実例で見る:この4部品が「CABU-R的なアプリ」ではこう並ぶ

抽象的な話を、みなさんが見慣れているアプリの形に当てはめてみます。テーマは株でなくても、「データを集めて → 加工して → 見やすく見せる」タイプのサービスはぜんぶ同じ骨格です。たとえば「レシピ検索」「家計簿」「地域のイベント一覧」でも構造は一緒です。

部品役割「データを集めて見せる」系サービスでの例
① 画面見た目・操作検索窓、絞り込みボタン、結果の一覧、グラフやカード表示
② 頭脳処理・判断「条件に合うものを探す」「AIに要約させる」「並び替える」
③ 倉庫データ保管集めた情報をためたファイル/データベース(毎日更新される)
④ 配信公開URLを配って、登録した人だけ/みんなが開けるようにする
AI時代の裏ワザ

昔はこの4つを全部プログラマーが手で書きました。今は 「②頭脳」の中にAI(ClaudeやGrokなどのAI)を1個置くだけで、「要約する」「分類する」「文章を作る」といった“賢い処理”が数行で手に入ります。ここが、個人でも本格的なサービスを作れるようになった一番の理由です。

🔤 補足:APIってなに?
API(エーピーアイ)
外部のサービスに「これお願い」と頼むための"受付窓口"。たとえば AIのAPI にお願いすれば要約が返り、地図のAPI にお願いすれば地図が返ってくる。自分でゼロから作らず、できあいの力を借りる仕組み。
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ClaudeのArtifactで「作れるもの」

Artifact(アーティファクト)は、Claudeとの会話の中で その場で動く画面を作って、すぐ確認できる 機能です。「こんな計算ツールが欲しい」と話しかければ、右側に本物のツールが現れて、その場でクリックして試せます。これは、さきほどの4部品でいうと 「①画面」+「②頭脳の軽い部分」を、環境構築ゼロで作れる場所です。

Artifactが得意なこと

  • 1画面で完結する道具:計算機、見積りツール、診断チャート、単位変換、タイマー、クイズ
  • 入力 → その場で結果:フォームに打ち込むと答えやグラフが出る、みたいなもの
  • 資料・見せ物:説明ページ、ミニゲーム、図解、ダッシュボードの"見た目"
  • 試作品(プロトタイプ):「本番を作る前に、動きと見た目を先に確かめる」用途に最強
Artifactの本質

Artifactは 「試作品を一瞬で形にする作業台」。ここでアイデアを"動くもの"にして、良ければ本物へ育てる──この順番が、遠回りに見えていちばん速い。

講師から一言

最初から完璧な本番サービスを目指さないでください。まずArtifactで「小さくても動くもの」を1個。動くものを触ると、次に何が必要かが自分で見えてきます。この教材のゴールも、そこです。

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Artifactの「限界」──ここから先は本物のサービスの領域

Artifactはとても便利ですが、"作業台"であって"お店"ではありません。4部品のうち「③倉庫」と「④配信」を、本格的には持てないのが限界の正体です。以下は、Artifactだけでは越えられない壁です。

やりたいことArtifactだけなぜ / どうなる
データを永久に保存苦手閉じると消えるのが基本。会員データや投稿を「みんなで共有してためる」倉庫は持てない
他の人とデータ共有苦手あなたが作った画面を他の人が開いても、入力内容は各自バラバラ。全員で同じ最新データを見るのは不向き
独自ドメインで公開不可myservice.com のような自分のURLでは出せない(共有リンクはClaude内)
会員登録・ログイン不可「登録した人だけ使える」「課金する」といった仕組みは載せられない
裏で定期的に自動実行不可「毎朝データを取り込む」「夜中に集計する」ような"人がいなくても動き続ける処理"は持てない
秘密のカギの保管苦手APIキー等の秘密情報は画面に書くと見えてしまう。本番は"頭脳の裏側"に隠す必要がある
⚠ よくある誤解

「Artifactで動いた=もう完成」ではありません。Artifactは1人が今その場で使う試作品まで。「大勢が・いつでも・データをためながら使う」段階に行くと、③倉庫と④配信を別に用意した"本物のサービス"に組み替える必要があります。それが次の章です。

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本物のWebサービスへ発展させると「できるようになること」

Artifactの試作品を土台に、③倉庫と④配信を足していくと、一気に世界が広がります。CABU-Rが"毎日勝手に更新されて、登録者だけが使える"のは、まさにこの発展をしているからです。

発展すると手に入る力

  • ためる:ユーザーの入力・記録・投稿を保存して、次に来たときも残っている
  • みんなで使う:全員が同じ最新データを見る/お互いの投稿が見える
  • 自分のURLあなたの名前.com で、堂々と公開できる
  • 会員・課金:ログイン、プラン、決済(お金をいただく)を載せられる
  • 自動で動き続ける:あなたが寝ていても、毎朝データ更新・毎晩集計・通知送信
  • AIを安全に組み込む:秘密のカギを裏に隠したまま、AIの賢さを全ユーザーに提供
Artifactで試作 ①画面+②軽い頭脳 ③倉庫+④配信を追加 ためる・公開する 🚀 本物のサービス 会員・自動化・課金
試作 → 倉庫と配信を足す → 本物へ。段階を踏むから、途中で挫折しない。
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道具の地図:どの段階で、何を使う?

「結局、何を使えばいいの?」に答える早見表です。全部を覚える必要はありません。今の段階に対応する行だけ見てください。個人が¥0〜少額で始められる、代表的な選択肢を挙げています。

段階やること代表的な道具(例)費用感
試作動きと見た目を確かめるClaude Artifactほぼ¥0
①画面本番の見た目を書くHTML / CSS / JavaScript¥0
②頭脳裏の処理を書くNode.js・Python など+AIのAPI¥0〜
③倉庫データをためるSQLite(手軽)/ クラウドDB¥0〜
④配信URLで公開するCloudflare Pages・Tunnel/各種ホスティング¥0〜少額
会員・課金ログイン・決済認証サービス/決済サービス/自社の登録フォーム売上に応じ
⚠ 道具は目的から選ぶ

「流行っているから」で道具を選ばないこと。まず"何を作るか"を決めて、それに必要な部品だけ足す。当スクールでは配信は原則Cloudflare系、集客・メールは指定ツールを使います(迷ったら講師に確認を)。

💡 補足:ノーコードという近道もある
ノーコード / ローコード
コードをほとんど書かず、部品を組み合わせてWebサービスを作れる道具(例:フォーム作成、簡易DB、自動化ツール)。「まず世に出して反応を見たい」ときは、これで③倉庫④配信をまとめて済ませ、あとから本格化する手もある。
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作る順番:この通りに進めれば迷わない

最後に、実際に手を動かすときの順番です。上から順に、1段ずつ。各段で「動いた」を確認してから次へ進むのがコツです。いきなり全部を一度に作ろうとすると、どこで壊れたか分からなくなります。

  1. ① 誰の何を解決するかを1文で書く「◯◯な人が、◯◯できるようになる」。ここがブレると全部ブレる。まず紙に1文。
  2. ② Artifactで"いちばん小さい動くもの"を作る目玉機能を1つだけ。見た目より「動くこと」を優先。触って手応えを確かめる。
  3. ③ 使う人に見せて反応をもらう作り込む前に見せる。要らない機能を作り込まずに済む、いちばんの節約。
  4. ④ 本番の①画面②頭脳を書き起こすArtifactの試作を土台に、ちゃんとしたコードへ。AIに手伝ってもらいながら。
  5. ⑤ ③倉庫をつなぐ「ためる」が必要になった時点で初めてDBを足す。最初から作り込まない。
  6. ⑥ ④配信してURLで公開まずは限定公開(合言葉URL)で少人数に。問題がなければ範囲を広げる。
  7. ⑦ 自動化・会員・課金を必要な分だけ足すここは"育ってから"でいい。反応を見ながら、必要になったものだけ。
合言葉

小さく作って、見せて、育てる。「完璧な設計を先に全部」ではなく「動く最小を出して、反応で直す」。これがAI時代のいちばん速い作り方です。

まとめ

  • 1Webサービスは 画面・頭脳・倉庫・配信 の4部品。今どこを触っているかを意識する。
  • 2Artifactは 「①画面+軽い②頭脳」を一瞬で作る作業台。試作に最強。
  • 3Artifactの限界は ③倉庫と④配信。ためる・みんなで使う・自分のURL・会員課金は苦手。
  • 4③倉庫と④配信を足すと 本物のサービス になり、自動化・会員・課金まで広がる。
  • 5進め方は 小さく作って・見せて・育てる。最小の動くものから1段ずつ。
講師から一言

この地図が頭に入っていれば、次にどんなツールが流行っても「あ、これは③倉庫の道具だな」と位置づけられます。技術は変わっても、4部品の骨格は変わりません。まずはArtifactで、あなたの"いちばん小さい1個"を一緒に作りましょう。